【トレンド】チャンネル変更時などに“音の違和感”を感じさせない「ドルビーボリューム」を体験
テレビのチャンネルを変更したり、番組本編からCMに移る際などに、その音量の差で違和感を感じることがある。CMやバラエティー番組は大きめ、映画などは小さめといったように、番組やコンテンツによって音声レベルが異なるためだ。特にDVDやBDで映画を楽しんだ後にバラエティー番組などを見ると、そのうるささにあわてて音量を下げなければならなくなる場合もある。
こうした違和感や不都合をなくすというのが、ドルビーラボラトリーズが2007年1月に米ラスベガスで開催された「International CES 2007」で発表した「ドルビーボリューム」だ。先日、東芝の液晶テレビ「REGZA(レグザ) ZH500/ZV500シリーズ」に初めて搭載されたこの技術の説明会が開催されたので、その技術内容を紹介しよう。
「聴覚心理学モデル」を利用して自然で違和感のない音質を実現
ドルビーボリュームとは、異なるコンテンツや入力ソース間で生じる音量レベル差を自動調整することで、番組や入力チャンネルが変わった場合も視聴者がボリューム調節をせずにコンテンツを楽しめるというもの。従来から同様の技術として「AGC(Automatic Gain Control):自動ゲイン制御」というものがあるが、ドルビージャパン プロダクトマーケティング部 シニア・マネージャーの尾関沢人氏は「聴覚心理学の考え方を用いて、より不自然さをなくす観点で音量調整を行っている」という。
「電気信号の大きさではなく、聴覚上の音量差を自動的に調整し、より聞きやすくするというのが特徴です」(尾関氏)
従来から利用されているAGCの場合、セリフとセリフの間のような無音に近い状態で「ブリージング」と呼ばれる現象が起こっていた。沈黙などの“間”が一定時間あると、その音量を上げることから背景音が強調されてしまう。
ドルビーボリュームの場合、「音声の帯域によってそのシーンにセリフが流れているのか背景音なのかを分析しています」(尾関氏)という。20Hzから22kHz程度までの帯域を20のゾーンに分け、それぞれの音域のアタックタイム(音が聞こえ始めてから最大音量に達するまでの時間)やリリースタイム(音が減衰して消えるまでの時間)を解析してリアルタイムに音量を調整しているとのことだ。
●デモ:チャンネル変更時の違和感を感じさせない
デモンストレーションでは、スペイン語チャンネルのバラエティー番組と、英語の映画チャンネルとの間を行き来した場合の音量差の違いを体験した。ドルビーボリュームをオフにした状態は、バラエティー番組が騒がしいために音量を抑えると、続いて表示した映画チャンネルは静かなシーンということもあって全くセリフが聞き取れなくなってしまう。だがドルビーボリュームをオンにすると、チャンネルを変更しても全く違和感を感じずに視聴できるようになった。
帯域ごとに音量を調整し、小音量でも原音のニュアンスを保持
ドルビーボリュームの最も分かりやすい効果は、先ほど挙げた「チャンネルや入力ソースが変わっても一定の音量レベルで聞ける」ということにある。尾関氏は、それに加えて「小音量でもオリジナルのニュアンスを保持できることにあります」と語る。
人間の聴覚は話し声の帯域である1kHz〜5kHz程度の中域が最も聞き取りやすいのに対し、低域や高域はより大音量でないと聞き取れないという特性がある。それぞれの周波数に対して知覚できる(聞き取れる)最小の音圧レベルを「聴覚しきい値」と呼ぶ。
映画などのオリジナル音声は一定音量(リファレンスレベル)で再現できるように調整されている。このため、大音量では全域にわたって聴覚しきい値を超えるのだが、音量を小さくすると低域や高域がしきい値を下回ってしまい、聞き取れなくなってしまう。
また、周波数帯域によって人間が同じ大きさと感じる音圧レベルが異なるという。例えば40dBの音圧レベルで1kHzの音を出した場合、31.5Hzの低域では70dBの音圧レベルでないと同じ大きさに聞こえないというのだ。
「同じ音圧に感じる『等ラウドネス曲線』は全体的な音量が上下すると少しずつ変わっていきます。そこで音量を下げたときのバランスを解析し、リファレンスレベルに近いと知覚的に感じるようにミックスバランスを変えています」(尾関氏)
●デモ:小音量でも「環境音」が聞こえるように
デモンストレーションでは、映画「ストレイト・ストーリー」(1999年・米)でたき火を囲んで登場人物が会話するシーン。大音量ではパチパチと鳴るたき火の音や風の音、虫の声といった背景音を確認できるのだが、音量を絞ると登場人物のセリフ以外ほとんど聞こえなくなってしまう。ドルビーボリュームをオンにすると、そうした背景音が違和感なく聞こえるようになり、オリジナルシーンの空気感の再現性が増した。
「クオリティーが高いので積極的に使ってほしい」と東芝REGZA開発者の本村氏
説明会には、ドルビーボリュームを採用した「REGZA ZH500/ZV500シリーズ」の開発担当者である東芝デジタルメディアネットワーク社 テレビ事業部 日本部 参事の本村裕史氏が登場した。
「(映像の明るさや色温度を環境に合わせて自動調整する)『おまかせドンピシャ高画質』と併せて、テレビを快適に見て聞いていただく技術を同時に採用できました。テレビは多くの人が日常生活に使うもので、コンテンツごとに映像や音量を調節するのはあるべき姿ではありません。気が付かずに最適化されているものこそ製品クオリティーが高いものだと思っています。非常にクオリティーの高いドルビーボリュームを採用できたのはうれしいです」
REGZA Z3500シリーズなどの従来モデルではAGC機能を搭載していたが、工場出荷時には機能をオフにしていたという。
「AGCをオンにすると、音が悪くなったり、音量の変化が不自然に感じることがありました。我々としては完成度の高い状態で出荷したいので、工場出荷時には機能をオフにしていたのです。
しかしドルビーボリュームは小音量で音が良くなるなど、悪いところは全くありません。そこでドルビーボリュームはおまかせドンピシャ高画質と同様、積極的に使っていただきたい機能として工場出荷時からオンにしてあります。テレビにとどまることなく、様々な製品に搭載されたらもっとみんなが幸せになると思います」(本村氏)
(文/安蔵靖志=日経トレンディネット)
【関連記事】
(nikkei TRENDYnet)
わぉっ!
知らなかったのって私だけですかー?
じつは私もなんですよね。
わたしも頑張ろうっと!
(´_`)
こうした違和感や不都合をなくすというのが、ドルビーラボラトリーズが2007年1月に米ラスベガスで開催された「International CES 2007」で発表した「ドルビーボリューム」だ。先日、東芝の液晶テレビ「REGZA(レグザ) ZH500/ZV500シリーズ」に初めて搭載されたこの技術の説明会が開催されたので、その技術内容を紹介しよう。
「聴覚心理学モデル」を利用して自然で違和感のない音質を実現
ドルビーボリュームとは、異なるコンテンツや入力ソース間で生じる音量レベル差を自動調整することで、番組や入力チャンネルが変わった場合も視聴者がボリューム調節をせずにコンテンツを楽しめるというもの。従来から同様の技術として「AGC(Automatic Gain Control):自動ゲイン制御」というものがあるが、ドルビージャパン プロダクトマーケティング部 シニア・マネージャーの尾関沢人氏は「聴覚心理学の考え方を用いて、より不自然さをなくす観点で音量調整を行っている」という。
「電気信号の大きさではなく、聴覚上の音量差を自動的に調整し、より聞きやすくするというのが特徴です」(尾関氏)
従来から利用されているAGCの場合、セリフとセリフの間のような無音に近い状態で「ブリージング」と呼ばれる現象が起こっていた。沈黙などの“間”が一定時間あると、その音量を上げることから背景音が強調されてしまう。
ドルビーボリュームの場合、「音声の帯域によってそのシーンにセリフが流れているのか背景音なのかを分析しています」(尾関氏)という。20Hzから22kHz程度までの帯域を20のゾーンに分け、それぞれの音域のアタックタイム(音が聞こえ始めてから最大音量に達するまでの時間)やリリースタイム(音が減衰して消えるまでの時間)を解析してリアルタイムに音量を調整しているとのことだ。
●デモ:チャンネル変更時の違和感を感じさせない
デモンストレーションでは、スペイン語チャンネルのバラエティー番組と、英語の映画チャンネルとの間を行き来した場合の音量差の違いを体験した。ドルビーボリュームをオフにした状態は、バラエティー番組が騒がしいために音量を抑えると、続いて表示した映画チャンネルは静かなシーンということもあって全くセリフが聞き取れなくなってしまう。だがドルビーボリュームをオンにすると、チャンネルを変更しても全く違和感を感じずに視聴できるようになった。
帯域ごとに音量を調整し、小音量でも原音のニュアンスを保持
ドルビーボリュームの最も分かりやすい効果は、先ほど挙げた「チャンネルや入力ソースが変わっても一定の音量レベルで聞ける」ということにある。尾関氏は、それに加えて「小音量でもオリジナルのニュアンスを保持できることにあります」と語る。
人間の聴覚は話し声の帯域である1kHz〜5kHz程度の中域が最も聞き取りやすいのに対し、低域や高域はより大音量でないと聞き取れないという特性がある。それぞれの周波数に対して知覚できる(聞き取れる)最小の音圧レベルを「聴覚しきい値」と呼ぶ。
映画などのオリジナル音声は一定音量(リファレンスレベル)で再現できるように調整されている。このため、大音量では全域にわたって聴覚しきい値を超えるのだが、音量を小さくすると低域や高域がしきい値を下回ってしまい、聞き取れなくなってしまう。
また、周波数帯域によって人間が同じ大きさと感じる音圧レベルが異なるという。例えば40dBの音圧レベルで1kHzの音を出した場合、31.5Hzの低域では70dBの音圧レベルでないと同じ大きさに聞こえないというのだ。
「同じ音圧に感じる『等ラウドネス曲線』は全体的な音量が上下すると少しずつ変わっていきます。そこで音量を下げたときのバランスを解析し、リファレンスレベルに近いと知覚的に感じるようにミックスバランスを変えています」(尾関氏)
●デモ:小音量でも「環境音」が聞こえるように
デモンストレーションでは、映画「ストレイト・ストーリー」(1999年・米)でたき火を囲んで登場人物が会話するシーン。大音量ではパチパチと鳴るたき火の音や風の音、虫の声といった背景音を確認できるのだが、音量を絞ると登場人物のセリフ以外ほとんど聞こえなくなってしまう。ドルビーボリュームをオンにすると、そうした背景音が違和感なく聞こえるようになり、オリジナルシーンの空気感の再現性が増した。
「クオリティーが高いので積極的に使ってほしい」と東芝REGZA開発者の本村氏
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REGZA Z3500シリーズなどの従来モデルではAGC機能を搭載していたが、工場出荷時には機能をオフにしていたという。
「AGCをオンにすると、音が悪くなったり、音量の変化が不自然に感じることがありました。我々としては完成度の高い状態で出荷したいので、工場出荷時には機能をオフにしていたのです。
しかしドルビーボリュームは小音量で音が良くなるなど、悪いところは全くありません。そこでドルビーボリュームはおまかせドンピシャ高画質と同様、積極的に使っていただきたい機能として工場出荷時からオンにしてあります。テレビにとどまることなく、様々な製品に搭載されたらもっとみんなが幸せになると思います」(本村氏)
(文/安蔵靖志=日経トレンディネット)
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わぉっ!
知らなかったのって私だけですかー?
じつは私もなんですよね。
わたしも頑張ろうっと!
(´_`)
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